LaTeX(ラテック)とは、組版システムのひとつであり、科学技術分野や学術論文の執筆などに使われている文書作成ツールです。Wordとは異なり、プログラミング言語のように記述することで、美しい文書を作成することができます。
WordとLaTeXの違いは?
Wordは、WYSIWYG(What You See Is What You Get)方式で文章を編集することができます。つまり、文章を作成する際に、文字の大きさや色、配置などを直接編集画面で確認しながら編集することができます。一方、LaTeXは、テキストファイルに記述することで文書を作成します。そのため、文章の見た目を編集画面上で確認することはできませんが、調整したい部分を指定して編集することができます。
また、Wordは、編集画面上で直接文章を編集するため、文章の見た目に比重を置いた機能が豊富にあります。一方、LaTeXは、文章の構造やレイアウトに注力した機能が充実しています。そのため、学術論文や技術書など、細かいレイアウトや数式を多用する文書を作成する際に適しています。
LaTeXの便利な使い方
LaTeXは、初めて触る人にとっては独特の文法やコマンドが多いため、最初は難しい印象を持つかもしれません。しかし、慣れてしまえば、Wordよりも効率的に文章を作成することができます。以下に、LaTeXの便利な使い方を紹介します。
数式を簡単に作成することができる
LaTeXは、数式を簡単に表現することができます。例えば、以下のような数式を書く場合、Wordでは、数式エディターを使って手動で入力する必要があります。
$$ y = ax^2 + bx + c $$
しかし、LaTeXでは、以下のように記述することで、同じ数式を表現することができます。
\begin{equation} y = ax^2 + bx + c \end{equation}
このように、LaTeXを使うことで、数式を簡単に表現することができます。
見出しや章番号を自動で振ることができる
LaTeXは、見出しや章番号を自動で振ることができます。例えば、以下のような文章を書く場合、Wordでは手動で見出しや章番号を振る必要があります。
第1章 はじめに
1.1 LaTeXの基礎
1.2 LaTeXの使い方
しかし、LaTeXでは、以下のように記述することで、見出しや章番号を自動で振ることができます。
\section{はじめに}
\subsection{LaTeXの基礎}
\subsection{LaTeXの使い方}
参考文献の引用を簡単に行うことができる
LaTeXは、参考文献の引用を簡単に行うことができます。例えば、以下のような参考文献を引用する場合、Wordでは手動で引用マークを入力する必要があります。
[1] 鈴木 太郎, “LaTeXの使い方”, 〇〇出版, 2021.
しかし、LaTeXでは、以下のように記述することで、参考文献の引用を簡単に行うことができます。
\bibitem{lamport94} Leslie Lamport, “LaTeX: A Document Preparation System”, Addison Wesley, Reading, Massachusetts, 2nd Edition, 1994.
まとめ
LaTeXは、Wordとは異なる組版システムの一つであり、科学技術分野や学術論文の執筆などに使われています。LaTeXを使うことで、数式の表現や見出しや章番号の自動振りなど、効率的に文章を作成することができます。初めて触る人にとっては、独特の文法やコマンドが多いため、最初は難しい印象を持つかもしれませんが、慣れてしまえば、Wordよりも効率的に文章を作成することができます。