医療や公衆衛生などの分野で、疾患の発生や予防、治療などを研究するために、様々な研究方法があります。その中でも、「横断的研究」という方法があります。
横断的研究とは?
横断的研究とは、ある時点での状況を調査することによって、その時点での状況と特定の因子との関連性を調べる研究方法です。
例えば、ある時点での人々の健康状態と、その時点での食生活や運動習慣、喫煙状況などを調査し、その因子と健康状態との関係性を分析することが横断的研究の例です。
縦断的研究やコホート研究との違い
横断的研究と対になる研究方法には、縦断的研究やコホート研究があります。縦断的研究は、ある期間にわたって同じ人々を追跡し、その期間中に発生する疾患や健康状態の変化を調査することです。一方、コホート研究は、ある条件を共有する人々を調査し、その条件が疾患発生に影響を与えるかどうかを調べることです。
つまり、横断的研究はある時点での状況と因子の関係性を調べるのに対し、縦断的研究は時間の経過に伴う変化を調べ、コホート研究は特定の条件による影響を調べることになります。
横断的研究のメリット
横断的研究には、以下のようなメリットがあります。
・コストが低い
横断的研究は、一度に多数の人々を調査できるため、コストが低く済むというメリットがあります。
・データの取得が容易
横断的研究では、ある時点でのデータを取得するだけで済むため、簡単にデータを取得できます。
・因子の特定が容易
横断的研究では、ある時点での因子と状況の関係性を調べるため、因子の特定が容易です。
横断的研究のデメリット
一方、横断的研究には以下のようなデメリットがあります。
・因果関係がわかりにくい
横断的研究では、ある時点での因子と状況の関係性を調べるため、因果関係がわかりにくいというデメリットがあります。
・データの信頼性が低い
横断的研究では、ある時点でのデータを取得するため、その時点での状況が偶然的に反映される場合があるため、データの信頼性が低いというデメリットがあります。
まとめ
横断的研究は、ある時点での状況と因子の関係性を調べるための研究方法です。縦断的研究やコホート研究と比較すると、コストが低くデータの取得が容易であるというメリットがありますが、因果関係がわかりにくいというデメリットがあります。研究目的に合わせて、適切な研究方法を選択することが重要です。